第二話

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 誠は、気づいた時には既に違う空間にいた。 先程までは壁や床の境がわかったが今は何も無い。 「何だ、ここ――」 仕方ないので、どうするか考える。 動かないべきか、動くべきかだ。 動かない場合、何も変わらない可能性が高い。 かといって、むやみに動けば何があるかわからない。 (……でも、何もしないわけにはいかないか。) そう思って、誠は手で空間を掻き分ける。 平泳ぎのような動きを想像してもらえれば大体正解である。 それで少しは進んだようだったので、彼は何度も同じ事を繰り返した。 特に何も起きないのでしばらく続けると彼の視界に何か白い点が入る。 誠は出口だろうと思って、そこに向かった。 ずっと進み続ければその目の前に着く。 先程見た黒い扉の、白い型だった。 光も無いのに遠くからでも見えたのを一瞬気にした誠だったが『いちいち気にしても仕方ない』と考え直し、思い切って扉を押し開けた。
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