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魁斗
「フラれた…そうだな、俺はフラれたんだな」
そう言っては余計悲しくなってくる。そんなループをフラフラと歩きながら繰り返していた。
やっべえなぁ。何だか無性にイライラしてきたわ。女という存在がいるから、俺はこんなに不幸になるしイライラするのか。
魁斗
「そうだ、女という存在がいけないんだな。今度あったらブチ殺してやるか、フフフ…ハハハハハハh…」
ドゴンッッ。
?
「お前はどこの悪役だ?」
魁斗
「いってーな大樹、殴ることはないだろ?」
大樹
「いやいやいや、そのままじゃマジ人殺しそうだったぞ?」
いきなり俺を殴ったコイツは石崎大樹。まあまあのイケメンで、ランクで言えば上の下ぐらい。中学からの付き合いで腐れ縁が続き、なんだかんだで毎年同じクラスになっている。現在リア充。正直言って殺したいほどうらやましい。
大樹
「今度はお前何したんだ?」
魁斗
「え?何で俺がすでに何かやらかした感じになってんの?まぁ確かにやらかしたんだが…」
大樹
「で?」
説明を促すように、大樹がこっちを見る。
魁斗
「いや…まぁなんだ…告ったら見事にフラれちまったんだ」
大樹
「………無様だな…」
魁斗
「うるせー。それで俺は何だかイライラしてしまってな、女にムカついてた」
大樹
「………バカだな…」
魁斗
「………うるさい…」
少しの沈黙が場を包んだ。カナカナカナ…とひぐらしの鳴き声が響く。
なんとなく今日は厄日のような気がした。
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