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魁斗
「ひとついいか?」
大樹
「おう、何だ?」
魁斗
「お前はなんでここにいるんだ?」
大樹
「デート」
ん?今非リア充として聞き逃せない言葉を聞いたような。
魁斗
「すまんよく聞こえなかった、もう一回頼む」
大樹
「だからデート」
魁斗
「……死ぃぃぃねぇぇぇええーーっ」
俺は殴りかかった。非リア充の諸君ならわかってくれるだろう?このウザさが。ゆえに俺が殴ったのは正しいんだよ。
大樹
「えっ、なんで俺殴られなきゃいけないの?」
そりゃあリア充だから。
魁斗
「てかいつ彼女できたの?」
リア充と非リア充の追いかけっこが、ひとしきり終わった後聞いた。
大樹
「うーーん…先週かな」
魁斗
「お相手は?」
大樹
「真央」
魁斗
「…またか」
コイツはイケメンのくせに、付き合う女子が全員あまりかわいくない。
大樹
「何だよ」
魁斗
「いや、そろそろそのB専を直したほうがいんじゃないかと思っただけだ」
大樹
「別にいいだろ、好き嫌いなんて個人の感情なんだから。…お、そろそろ待ち合わせの時間だからじゃあな」
そう言って大樹は去っていった。
大樹と別れてから歩くこと3分。
?
「あれ~~?魁斗じゃな~い?」
俺の名前を呼ぶ声がしたので、そちらを振り返ると女子が一人こちらへ手を振りながら走ってきた。
魁斗
「おぉ?結乃じゃん」
俺の幼馴染の桐島結乃だった。俺から見て、幼馴染補正を抜きにしても学年の中でかわいいほうだとあると思う。少なくとも真央よりは絶対にかわいい。
魁斗
「何で結乃はここにいるんだ?…あ、帰宅か。一緒に帰ろーぜー」
結乃
「そだね」
ちなみに結乃と俺は家が隣である。しかも幼稚園、小学校、中学校、高校がすべて同じである。現在は同じクラス。もはや、腐れ縁を通り越して別のものになっているのかもしれない。
それとみんなに勘違いして欲しくはないが、結乃と恋愛沙汰なんてことは絶対にない。エロゲーじゃあるまいし。コイツは幼馴染のそれ以上でもそれ以下でもないのさ。
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