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魁斗
「…ん?どこだここ?」
目が覚めた俺の目に入ったのは、真っ白い空間だった。
神
「あ、起きた?」
訂正しよう。意識が戻った俺の目に入ったのは、真っ白い空間……だけじゃなく青年もいた。
魁斗
「えーっと…どなた?」
神
「あ、僕は神っていえばいいかな」
魁斗
「は?意味がわからない」
神
「『地球』が存在する世界とは別の世界の神だよ。ちなみにキミは僕がここに呼んだ」
魁斗
「うーーーん……俗に異世界召喚、と呼ばれるやつか?」
神
「うん、そうだね」
どうやら俺はまだ寝ぼけてるらしい。とか軽く考えて頬を思い切りつねってみた。
するとなんと痛みが!
神
「残念ながらこれは現実だよ」
魁斗
「……人間って意味がわからなさすぎると納得しかできないんだな、今学んだよ」
神
「せっかく起きたんだし話だけでも聞いてよ」
魁斗
「状況が理解できるなら聞こうじゃないか」
神
「ちゃんとついてきてね?」
そう前置きして神の話は始まった。
神
「それは今から10000年前のことにまでさかのぼるんだけど。僕が神として存在しているこの世界『セイノルア』が、魔族による侵攻を受けた。その時は、キミたちがいた世界『地球』から勇者が召喚されたんだ。で、その勇者のおかげでまぁその時は守られたわけなの」
魁斗
「ふむふむ、とりあえずは理解した。それで?」
神
「今日に至るまで不定期ではあったけど何回かあって、その時も同様に勇者が呼ばれたの」
魁斗
「で?今回は俺ってことなのか?」
神
「………ん…まあ、そうなるかな」
やっと俺の頭がはっきりして、話についていけるようになってきた。
それにしてもさっきの神の返事がはっきりしないな。
魁斗
「なんか特殊な事情でもあるのか?」
神
「うん、非常に言いにくいことなんだけど…今回召喚された勇者に問題があるの」
魁
「え?それってまずくないのか?」
神
「まずいんだよ…だからキミを呼んだんじゃないか」
あ、そういうことなのか。勇者代役的なポジションか、俺は。
魁斗
「勇者に問題があって代わりに俺が呼ばれたってことは、どうせ俺が知ってるヤツなんだろ?はやく教えてくれ」
神
「あ?ばれてたか。じゃあとりあえず呼ぶよ」
なんて言って神が指を鳴らすと一人の男が突如落ちてきた。
魁斗
「ん?これは…」
落ちてきた男の顔を確認した俺は
男 の 顔 を 殴 っ た 。
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