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右手をベッドの柵ににのばす。ひんやりとして気持ちがいい。でも、そのうち体温と同じ温度になる。柵から手を離す。
右手からのびている管に目をやる。運ばれた日はなんでいつも点滴なんだろう。
人より食べる料が少ないからかな。透明な液体が、少しずつ体に入ってくる。たくさん入ったら、血液の色も透明になるかな。そしたら、血が出たときの処理が楽になるのに。
左手は、動かさない。
できるだけ意識の外に追いやる。この部屋ではいつもそうしている。包帯が巻いてある腕を見ると、嫌な気持ちになる。
包帯の下の傷は、嫌な気持ちを抱えきれなくなった結果だからだ。
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