pain 01 封印の影

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うわー、外ればかりだ。 特に今回はひどい。 予定していた時刻を5分ばかり過ぎて現れた男性陣をひと目見て、そう思った。 もう何度目かになる合コンに、無理やり参加させられた。 誘ってきたのは、大学に入ってできた友人で、同じ商学部の由梨(ゆり)。 人数合わせのためだろうというのは、想像に難くない。 出会いなど求める気にはなれないから、毎回断らなきゃ、と思うものの、ずるずると参加してしまう。 それに、行ったところで男性たちとのつきあいはその場限りのことが多い。 お酒を飲んでわいわいとしゃべって、お開き。 ごく稀にアドレスは訊かれても、何も展開しない。 今回も同じことになるだろう。 それにしたって、今回の男性陣はひどい。 必死の笑顔を取り繕って迎える。 けれど、外れだと思ったのは、どうやら私だけらしい。 周りをうかがい見れば、由梨だけじゃなくほかの子も一様にその目は嬉々として細められている。 おかしい。 「なかなかイケてるんじゃない、最後に来た彼。タイプかも!」 由梨がこっそりと耳打ちしてきた。 好きな人が互いに被ったことはないから、今回も大丈夫だろう。 そもそも、今の私が誰かに興味を持つことは考えられない。 そうは思うものの、好奇心も手伝って、気づかれないように最後に現れた男性に視線を送る。 甘いマスクは確かに好青年ふうで女性が好みそうだし、ワックスで遊ばせたオレンジブラウンの髪の毛はなかなかしゃれっ気がある。 だけどなあ、と心の中で唸る。
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