pain 01 封印の影

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とはいえ、さすがに飲みすぎたようで、お手洗いへと席を立った。 みんなのいるところに戻ろうとしたところで、ぎょっとして立ち止まる。 壁際に笑顔はにかみくん、ならぬ、砂川くんがもの静かそうに立っていたのだ。 座敷わらしか、君は。 彼としては、私を驚かせようという気はさらさらなかったのかもしれない。 ごめんごめん、としきりに謝る。 でも、まさかいるとは予想だにしていなかった私は、必要以上に驚いてしまって、わあ、とか、ぎゃあ、とか奇声を発しながら飛び跳ねて後ずさる。 まったく、びっくりさせてくれるな。 まだ早鐘を打つ心臓をなんとか鎮めようとするも、なかなか収まらない。 ようやく落ち着きを取り戻しかけた時、彼がぺこりと頭を下げてきた。 素早くあたりを見回すものの、誰もいない。 どうやら私に会釈をしたらしいということを解して、軽く頭を下げる。 「えっと、栗見(くりみ)さん、ですよね」 「はあ、そうですけど」 彼の意図が読めず、曖昧に返す。 「俺、実は合コンとかって初めてで。俺の隣に座ってた翔太って覚えてます? そいつに誘われてついて行ったら、こういう場所で」
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