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─望美の病室─
体力が回復してから、オレは望美の病室を訪れた。飾り気のない部屋のベッドで頭に包帯を巻いた望美が眠っている。オレはベッドの隣の椅子に座った。
助かって良かった……
ベッドで眠る愛しい姫君を見つめ、時間を過ごす。いつの間にか夜が明けて外は明るくなっていた。
「う、ん……」
望美の声がして望美がユックリと目を開く。
「ヒノエ、くん……?」
「そうだよ、姫君……目が覚めて良かった……」
涙が、溢れた。涙の雫は頬を伝い、白いシーツの敷かれたベッドを濡らす。
「……私、事故にあったんだね……ヒノエくん、心配させちゃったね」
「無事なら良いんだよ、姫君。…本当に良かった」
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