HINOE END

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 源平争乱を終らせ、北條政子──茶吉尼天を追って望美の世界へ来たオレたちは茶吉尼天を倒した。  そのすこし後、ある理由で乱れた此方の世界の龍脈も正した。そして気が正され、望美との別れが近付いていた。想いが通じてすぐの、別れ。少し、残念だ。出来るならば残りたい。だが、熊野の棟梁であるオレが帰らないわけにはいかない。逸そ、この身を二つに分けられたなら、と、そんなことを思いながら毎日が過ぎて行く。  そんなある日の夕方。      「もうすぐ、帰っちゃうだよね……」  散歩の帰り道で隣の望美が言った。  「ああ……」  数日。そう、後、数日で気が完全に整う。そうなればオレは九郎たちと元の世界へ帰らなくてはならない。オレたちはこの世界の人間ではなく、異なる世界から来た存在だから。    「ヒノエくんとも、会えなくなっちゃうね……寂しいよ……」  望美が繋いだ手を強く握った。オレが望美を見ると、望美はうつ向いて、いつもは明るく輝いている表情に影があった。寂しそうなうな印象を受ける。
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