一日を二人で…

ＨＩＮＯＥ ＥＮＤ

　数回の呼び出し音の後“ガチャ”と言う音がして男が電話に出た。
　“はい、こちら１１９番です。どうされましたか？”
　「事故が……っ車が突っ込んで来て望美が……っ……場所は──」

☆☆☆
　それから少しして“救急車”が到着した。救急士が望美をタンカで救急車へ載せる。
　オレは救急車に同乗した。救急車はオレたちを乗せて“病院”へ向かう。心電図に繋がれて、点滴をされ、酸素マスクをして眠る望美の姿が痛々しかった。

　病院に着くとすぐ望美は集中処置室とか言う部屋へ運ばれた。すぐそこで、たった一枚の壁の向こうで望美が治療を受けてるのに、部屋へは立ち入り出来ない。入れては貰えない。
　オレは集中処置室の前の長椅子に座って望美の無事を祈る。