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それから顔の赤さを隠すように私は俯きながらトボトボと歩いた。
その間もずっと手を繋いだまま。
「あ、ここが家です」
「うん。わかった」
気が付けばもう家の目の前で、私は先輩の方を向き、お礼を言った。
「先輩、ありがとうございました」
「ん。」
「また明日」
私がお礼を言うと手は離された。
向きを変えて家の門を開けようとすると、また、腕を捕まれた。
「お礼に莉子のアドレス教えてよ」
振り返ると笑顔の碧先輩がいて、すでに携帯を準備している。
「はい」
私は言われるがままにアドレスを交換した。
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