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舞台に上がると、誰かのすすり泣く声が耳に入った。
「ごめん……ごめんよ、ボクじゃ……助けられないんだ」
全く、泣き虫なのは本当に変わらないな。
けれど、それでいい。
「っ!?誰だ!!……あ……時夜……」
「よぉ、勇」
血と他の体液の臭いが立ち込めるそこで泣いていたのは勇。
白銀のローブのフードを取り、へたり込んだまま、勇はオレを見上げていた。
「時夜!!助けて!ボクじゃダメなんだ!ボクじゃ……うぁぁあ!!」
勇は一点を指差しながら泣き叫ぶ。
こいつは一度泣き始めると子どものように泣くんだ。
全く、お前はもう17歳だろう。例え見た目が幼くとも。
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