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「さっきも言ったが、この傷は普通なら致命傷だ。今も血が流れて止まらない。オレでなかったらとっくに死んでる。オレからすればお前達は無実の人間を殺そうとした重罪人、しかも、そんな奴らにオレの大切な従者が人質に取られたんだ……文句を言われる筋合いは無い」
右の下まぶたから頬の辺りまでスッと薄皮を裂く程度に刃を通す。
これで気丈に振舞っていた魔術師♀の心も折れてしまったようだ。
「ご、ごめんなさい!!助けてください……イヤ……死にたくない……お願い」
「身勝手で誠意が足りないので拒否する。インフェルノ・ペイ……何の真似だセプテム」
飽きたのでさっさと殺してしまおうと手を翳す。
だが、事もあろうにセプテムが間入って来た。
馬鹿な奴。
「くっ!も、もう……いいじゃないですか……これ以上は……お願いしますご主人様……」
魔術名を言い終えていなかったから良かったものの、そうでなかったら死んでいたところだ。
「それはお前が決めることじゃない。が、まぁいいだろう。こいつはお前をずっと庇っていてくれていたしな。感謝しろよ魔術師」
何にしろそろそろ勇もデートから戻ってくるだろうし、オレもいい加減ダレて来た。
「かはッ!?……ぁ……アイラ……ごめ……」
借りていた剣を剣士に返却して、忘れているかもしれないが当初の目的を果たすために村を焼き払う。
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