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サービスとしてその辺に散ってしまった寄生型の魔蟲も索敵してきっちり灰にしてやった。
残っているのはオレが持っているこいつだけだ。
「さて、帰るかセプテム」
「はい……ご主人様」
燃え盛る炎と、剣士の亡骸を抱き寄せて慟哭する魔術師♀を背にしてオレ達は歩き出した。
歩き出したはいいが、どうもセプテムは後ろが気になるようだ。
「……どうかしたか?」
「あの人がこれからどうするのか……気になって」
「どうするも何も、おそらくあいつはあそこで勝手に死ぬ。例え生き永らえるのだとしても、幸せな人生を感じることはできないだろう」
「え……?」
「あいつらは恵まれて育った。境遇も才能も機会も……そんな人間があの惨状に耐えられるわけがない。自分でやっておいてなんだがな」
初めから何もなかったセプテムとは絶望を受け入れる器の大きさが違うから。
「だから、こういう時は一人残らず殺せ。その方が、お前が楽だ」
あいつが悲劇のヒロイン気取りでも出来れば復讐に来る可能性はあるが。
まぁ、どうだっていい。
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