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「ご主人様……」
「ん?」
「ご主人様は……どうして自分を買ったのですか……?」
どうして、と言われてもな。
たまたまセプテムが店でオレに声を掛けて、たまたまオレが楽しみにしていたイベントで浮かれていただけの話だ。
「聞かない方がいい。我ながらくだらない理由だよ」
「でも……いえ、わかりましたご主人様」
それっきり、セプテムは俯いて黙り込んでしまった。
何かこう胸に来るものがあるな。
謝るか……
「セプテム……あー……悪かったな、嫌な思いさせて」
「え?ご、ご主人様?」
だから、なんでオレが素直に謝ったらそんな反応するんだどいつもこいつも。
「……自分を買ったのが、ご主人様で良かったです」
「……ドM」
「ありがとうございます。ふふっ」
だが、不思議と嫌じゃない。
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