3403人が本棚に入れています
本棚に追加
/499ページ
「ほら、これ欲しかったんだろ?」
「う……あぅ……あ、ありがとうございます……」
一気に勢いを失ったゾフィは、素直に髪留めを受け取って、いそいそとそれを髪につけた。
紅い宝石で作られたこれは、ゾフィの髪の基本色である銀色によく映えている。
「主様……その、似合ってます……か?」
そう尋ねるゾフィの目玉は忙しなく左右に振れていた。
ここは涙目でオレを上目遣いに見上げ、純情なオレがその仕草にときめいて慌てる。
というパターンではないのか。
「全然似合ってないな、捨てて来い」
しかし、生憎オレは純情過ぎるんでな……
どれぐらい純情かと言うと、好きな女の子にわざと意地悪する男子小学生ぐらい純情だ。
最初のコメントを投稿しよう!