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「どうだ?醜いだろう?」
「い、いえ……そんなことは……」
TPOに合わせて、貴族風のおやじに変わってみたのだが、こいつの反応からするに成功したようだ。
「おや?貴方は……初めてお見かけいたしますな。失礼ですが、どちらからいらっしゃったので?」
そのまま暫くしていると、見知らぬオレを見つけたこの国の貴族か金持ちの商人かが話し掛けて来た。
「あぁ、これはこれは失礼いたしました。ワタクシ神聖教国から……なんでも竜人が出品されると聴きまして」
ちなみに、こういう場所には世界各国から色々な要人が集まるため、基本的にその国同士の問題を持ち込まない暗黙の了解があるので、バリバリの敵国でも大丈夫なのだ。
むしろ、もしかしたらいい情報が貰えるかもしれないので大歓迎だろう。
「ほぉ、なるほど……それでわざわざ」
「ええ、ワタクシ実は人種コレクターでして……先日竜人の雄を手に入れたのでこれを機に雌もと思いましてな」
「ハッハッハッ!!それは確かにちょうどいいタイミングでしたな。ところで、ソレは上にいた?」
ソレ、とはこのバーテンのことだろう。
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