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ところで、話は変わるのだが、この国には『七賢人』と呼ばれる者達がいる。
その名の通り特別な称号を与えられた七人の人間の総称で、その内の六人はそれぞれが火、水、風、土、光、闇属性のエキスパートであり、同時に最強の存在である。
最後の一人は『賢王』と呼ばれる全ての属性を司る者。
しかしながら、この賢王というのは名前だけあってその称号を持つ人間は存在していなかった。
なぜなら、全ての属性を持つ人間など存在しないからだ。
だが、最近になって、国は実は賢王が存在しているということを公表した。
「おっ、セプテム……約束の時間だ。よく見ておけ」
「……はい?」
セプテムが間抜けな返答を返した瞬間、突風が出入口から吹き抜けて舞台の前で小さな竜巻をおこし、何者かがその中から現れる。
「こんにちは。そして……」
白銀のフードが付いたローブに身を包んだ若い男は、手のひらサイズの水の塊を無数に生み出して自分の周りに展開させた。
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