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「さようなら」
その別れの言葉と共に、展開されていた水の塊はオレ達の顔を覆う。
当然、オレのはそう見えているだけだが、他の貴族や商人達の醜いこと醜いこと。
そして、何より腹の立つことは、きちんとセプテムや舞台の上の奴隷達には攻撃していないことだ。
とりあえず、オレ以外が失神して白銀ローブ、もとい、賢王が舞台裏の奴隷達の様子を見に行くまでは黙っている。
その際、幻影のオレが悶え苦しんでいる姿を、セプテムがざまあ見ろといった目で見ていたので、術者に気づかれないような小声で……
「どうだ?面白いものが見れただろ?」
とセプテムの耳元で囁いてやった。
セプテムは一気に顔を真っ青にして俯き、恐怖で身体を震わせながら呼吸を荒げる。
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