きみを知らない

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朝、ゴミを捨てようと袋を持って外に出た時に、ゴミ置き場の前に彼女は居た。 『おはよう、昨日はよく眠れた?』 「は?」 『今度、デートしましょうね!』 「えっ、あなたどなたですか?」 『何とぼけちゃってえ。ギャグ?』 何だ、この人…?あっ、とにかく、ご近所さんかもしれないから、むげには出来ない。 「あのう~先週ここに越して来た志田といいます」 『今日は不燃ゴミの回収日なのに可燃ゴミを出している人がいるのよ』 『困ったものだわ。志田くんはちゃんとしてるわよね?』 「はい一応、昨日、確認してますから」 『そうよね。ルールは守らないとね。じゃあね。大学遅れるわよ』 彼女は部屋に戻って行くようなので、僕は後をこっそり追って行った。 自分が越して来た部屋の隣だった。 表札には"蒼井"と書いてあった。
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