3人が本棚に入れています
本棚に追加
号令をして、江口先生があたしたちを見回した。
江口先生はあだ名でえぐちーって呼ばれている。
えぐちーって言うと怒られるから、陰でこっそりとだけど。
えぐちーの手には2つの箱がある。
「あー、みんな知ってると思うが、今からペア決めを行う」
箱を教卓の上に置いて話を続けるえぐちー。
「男女の2人ペアはくじ引きで決める。2ペアが決まったら、男女2人ずつの4人班をつくる」
言ったことを、黒板に書いていくえぐちー。
えぐちーは振り返ってまた、話しを続ける。
「班を決める時は自由だ。誰々と一緒にやりたいからとかの理由で自分達で決めていいぞ。ケンカとかすんなよー」
そこまで聴くと由実がヒソヒソと
「同じ班にしよう」
と言ってきてくれて、あたしはもちろんと頷いた。
「よし、じゃあ、ここの2つの箱に番号が書かれた紙が入ってる」
えぐちーは教卓の上に置いてある2つの箱を叩く。
「青い箱が男子でピンクは女子。同じ番号になった男女がペアだからな。紙を引く順番は………出席番号順でいいや」
えぐちーが主席番号最初の男女を来いと手招きする。
変な緊張感がクラスに張り詰めた。
最初のコメントを投稿しよう!