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「いらっしゃいませ~!」
中に入ると数人の花魁と番頭が二人を出迎えた。
「今宵はどの花魁にいたしますか?」
二人は数人の花魁を見わたした。
「番頭、あの二人が見当たらねぇんだが」
「あの二人とは?」
「先ほど大きな声を出していた花魁ですよ」
番頭は首を傾げ、「ああ」と、ポンと手を叩いた。
「燕と小夜ですか、あの二人はまだ日が浅いので話相手しかできませんが」
「その二人を頼む、泊まりは無しで」
「かしこまりました。燕、小夜!お客様だ!」
「「はーい」」
二人分の返事があった後、足音が近づき、
「いらっしゃいませ・・・!」
二人を見た飛燕は思わず固まった。
(えぇ!?客って夜闇様と椿様!!?)
固まっている飛燕を見た小夜は後ろから顔を覗かせた。
「きゃー!夜闇様と椿様じゃないですか!」
「お前たち、静かにしなさい!お客様の前だぞ!」
怒っている番頭をよそに椿はクスクス笑い、「元気があっていいじゃないですか」と言った。
「そうですか?;お前たち、お客様を<梅の間>へご案内しなさい」
「は、はい!」
「どうぞ、こちらへ!」
夜闇と椿は部屋に案内する二人の後について行く。
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