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<梅の間>
二人を部屋の中に案内し、挨拶を済ませた後、飛燕は少し離れた場所に座った。
小夜は酒を用意し、二人にお酌していた。
(まさか今夜の客が夜闇様だとは夢にも思わなかった・・・)
飛燕はチラっと夜闇の方を見た。
徳利に注がれた酒を美味しそうに飲んでいる。
(やっぱりかっこいい・・・///)
ボーっと夜闇に見惚れていると
「おい」
「は、はいッ!」 ビクッ!
夜闇にいきなり声をかけられた。
「な、なんでしょうか!?;」
「燕と言ったな、お前も酌してくれ」
「は、はい!」
飛燕は素早く夜闇に近づくと喜んでお酌をし始めた。
(こんなに近くに夜闇様がいる・・・///)
飛燕は少し幸せを感じた。
その後、たわいもない話を色々とした。
「おっと、そろそろ時間ですね」
「そうだな、帰るか」
「え~、もうちょっと居られないんですか?」
「悪いね、やらなきゃいけない仕事があるからね」
椿は苦笑を浮かべた。
「そうですか」
「・・・明日から毎晩この時間に来るから二人とも空けとけ」
「え?」
飛燕は一瞬耳を疑った。
(明日からずっと夜闇様がこの店に来てくれる・・・)
「本当ですか!?やったー!」
素直に喜ぶ小夜とは対照的に飛燕は内心で喜んでいた。
飛燕と小夜は二人を玄関まで送った。
「それじゃあな」
「また明日」
「またのご来店お待ちしております」
二人は店を出た。
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