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明け方6時、閉店後、飛燕と小夜は番頭に夜闇と椿の事を告げ部屋に戻ろうとした所を先輩たちに囲まれた。
「ねぇねぇ、お二方とお話したんでしょ?!」
「何をお話したの?!」
「身近でお二方を見てどうだった?!」
次から次へと飛んでくる質問に二人はタジタジだった。
「皆お止め」
「あ、桜姉さん;」
声がした後に店の売上ナンバーワンの桜太夫が姿を見せると皆は静かになった。
「この子たちは夜闇様と椿様のお相手をして気疲れしておる、休ませておやり」
「でも桜姉さん、お二方と何をお話したか聞きたいです」
一人の問いに皆がうんうんと頷いた。
「それを聞くのは野暮というもの、お前たちもお客と話した事を他人に言いたくあるまい?」
桜太夫の言い分に皆は口を閉じた。
「分かったなら皆部屋にお戻り、今宵も頑張って働くために休みなさい」
はーい、と返事をし、皆はそれぞれの部屋に戻っていった。
「ありがとう桜姉さん」
「礼はいらぬ、さぁ二人も部屋に戻ってお休み」
「「はーい」」
桜太夫に頭を下げ、二人は部屋に戻った。
部屋に戻ると二人は布団を敷き寝転がった。
「あ~びっくりした;」
「姉さんたちに絡まれたことが?」
「それもあるけど、夜闇様と椿様のことだよ;思わず心臓が止まるかと思った;」
「あー、アレはさすがに驚いたわ。まさかアタシたちが指名されるなんて思ってなかったもんね」
飛燕と小夜は少しの間あはは、と苦笑しながら話をすると眠りに落ちた。
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