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<彼岸の間>
桜太夫が飛燕と小夜の二人を庇う中、二人の男が刃物を構えていた。
「はっ、桜太夫だかなんだか知らねぇけど邪魔すんな!」
男の一人が刃物を振り上げ桜太夫を切りつけた。
「痛ッ・・・!」
「桜姉さん!」
桜太夫は切りつけられた箇所を押さえたまま目の前の相手を睨んだ。
すると男はまた桜太夫を切りつけた。
「なんだその目は・・・たかだか売り物のくせにでしゃばってんじゃねぇよ!」
ぴく
「たかだか売り物くせに・・・だと」
飛燕が動き出そうとしたのを桜太夫が目線を配り阻止した。
するともう一人の男が小夜の腕を掴み引き寄せようとした。
「さぁ、こっちにおいでよ~僕の花嫁~」
「嫌ー!離して!」
「なんで嫌がるのさ~」
男はグイグイと小夜を自分の方へと引き寄せた。
「へへ、あとちょっと」
「嫌ー!!」
「小夜を離せ!」
飛燕が声を出すのと同時に部屋の襖が開いた。
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