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ステンレスの缶ごと、かーくんから奪う。
目がウルウルと、今にも泣き出しそう。
私とゆうお兄さんは、少し場所を離れ二人だけに。
手紙を見ながら、ケラケラと笑っている。
「好きな人と結婚か…まりあちゃんらしい。
叶ったらいいな」
「でしょ、でしょ。10代でね、結婚するの。
相手はモチロン…」
ゆうお兄さんですよと、心の中で叫ぶ。
本気だもん。
「待っててやるよ。お姫様」
そう言うとゆうお兄さんは、ルーズリーフの紙切れに何かを書き込んでいる。
「これ楓に渡して。俺も書いて中に入れたから。10年後、開けような」
優しく私の額に唇を押し当てた。
伝わる温もり。
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