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一緒に帰った彼女は
真っ先に疑われたが、
啓太君が 一度、
家に帰宅したのを
姉の美江ちゃんと、祖母が確認していた事と
事情を聞いている間、
細い肩を ふるわせながら
大きな瞳から
真珠の様な涙を
とめどなく流してる姿を見て
誰も、 彼女が
そんな事を出来るなんて
到底、思わなかった。
結局、何も掴めず
啓太君は【事故】として片付けられ
葬儀が行われた。
その帰り道、
椿ちゃんと二人で
俯き、トボトボ歩いていると
『美春ちゃん、悲しいでしょう?』
私の顔を覗き込むように
彼女が聞いた。
『…うん。』
誰にも言わなかったけど、
私はちょっぴり
啓太君の事が好きだった。
だから、
椿ちゃんを啓太君が誘った時
とても悲しかったのに、
それどころか
まさか
もう、二度と会えないなんて
思わなかったんだ。
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