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自画自賛するわけではないが、そこには掛け値なしの美少女が写し出されていた。
腰まで届くストレートの黒髪、寝起きなせいか若干眠そうな漆黒の瞳、やや幼さの残る顔立ち、僅かばかりに自己主張する胸、スタイルも小柄ながら年相応の均整がとれたものになっていた
「……これが今の…僕…」
その時何となく視線を鏡から離すと怪しく目を血走らせた妹が部屋のドアの隙間から覗いていた…さながらホラー映画のごとく。
いや、かなり怖いって!
そう内心ではガクブルするが、再び鏡に目をやると人形のように全くの無表情な自分が見返してきた…こっちも怖いね、うん。
「お姉ちゃんおはよ~!」
見つかったことに開き直ったのか、勢いよくドアを開けて飛び掛かってくる妹。
「………おはよう」
そして何故か逃げる気が起きずそのまま抱き締められる僕。実は匂いフェチだった妹が再び僕の髪に顔を埋めてスーハースーハーしだした
「うぇっへっへっ…」
「…花梨。そろそろ着替えないと遅刻するから」
匂いを嗅ぎ続ける妹をやんわり制止して言い聞かせると「はーい」と名残惜しそうに離れる…けど。
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