終末の日にて世界は変わる

…はじまりは突然に…

まだ暗闇に包まれた国道を、とある男が高速のICへ向けて車で走っていた。

明日は土曜日……週末だと言うのに商談が入ってしまったため、埼玉県の久喜市へと行かなければならない。

あぁ面倒くさい……９時までに取引先に行かなければならないっていうのが酷だよなぁ。

眠てぇ……。コンビニに寄ってコーヒーでも買うか。

道沿いにあったコンビニの駐車場に入り車を停めて店内へと入る。

「いらっしゃいませ～」

いつもよく聞く事務的な声を聞きながら、飲み物のコーナーへと向かう。
あったあった……俺のお気に入りのやつ……勿論コーヒーはブラック。ミルクや砂糖なんぞ邪道だ。

そんなどうでもいいことを考えながらコーヒーを持って、若い女の店員のいるレジへと向かった。

……ｽﾞﾝｯ……

「お会計が284円でございます」

ちゃっかりレジの近くにあったチョコレートも買い、俺は284円丁度を渡した。

……ｽﾞﾝｯ!!

ん？今何だか揺れなかったか？
気のせいか……？いや、気のせいではないな。店員も揺れを感じたのかしきりに周囲をキョロキョロ見回している。