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黒色のタイトなメイド服、輝く金色の髪の中から小さな黒角が二本。とても甲斐甲斐しい態度と相まって“侍女悪魔”を彷彿とさせる容姿である。
そしてここはどこだろー。
「失礼致します」
ぼんやりしているうちに布団をはぎ取られてしまい、何故かベッドに上ってきた彼女に服を脱がされ、上半身裸にされてしまった。
「んなっ!?」
「どうされました?」
首を傾げ、問うてくる。どうやらふざけているわけではない様子。
俺が何も言わないのを一瞬不思議がるも、彼女は行動を再開した。
今度は俺の下半身の最終防衛ラインを脱がしに────
「待て待てちょっとおかしい」
なんで起きた直後にキレーなお姉さんに素っ裸にされそうになってんの? 違う所が起きちゃうよ?
「?」
そんな可愛く小首を傾げてもダメだぞ。
「毎朝こんなんだったっけ?」
「そうですよ? 毎朝魔王様のお着替えをお手伝いさせてもらって早20年でございます」
閃いた。
「ちょっと命令していいかね」
「何なりと。私、侍女悪魔は魔王様に仕えるために生きております故」
「ほうほう」
にやり。
どんな命令でもいいわけか。
あーんなことやこーんなこと。そーんなこともし放題なわけだ。
ククク。
さーて、どんな命令をしてやろう。
ここはどうやら俺の自室。生前住んでいた俺の自室の十倍くらいの広さだが。
洋風なお城の部屋みたいな豪奢さで少し落ち着かないが、密室のプライベート空間。
そして、俺の目の前にはやや年上と見える美女。しかも俺上半身裸。
つまりだな────
「一人で着替えさせてください」
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