9人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
不思議在る場所に秘封倶楽部在り。そんな言葉を誰が初めに口にしたのかはもう覚えていない。
否定はしない。西へ東へ、いつも不思議を探して走り回っていることに間違いはないのだから。
しかし、今回はどうだろう。私達は走り回ってなどいない。
不思議は唐突にやってきた。唐突すぎて、対処が追いつかない。まるで正義の味方の秘密基地が敵襲にあったかのようなそんな事態。
そう。私達にとっての安らぎの場所は、突如として自らを閉じ込める牢獄と化した。
――秘封倶楽部の部室は私達に牙を剥く。
最初のコメントを投稿しよう!