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「何でメリーだけそんな世界に行けるのよ! 不公平だわ!」
「オホホホホッ!」
口に手を当てながら、メリーは今までに聞いたことのないような笑い方をしていた。
「いーなーいーなー、メリーだけ……」
「ならこれは蓮子にあげるわ」
そう言って、再び私の手に青い薔薇が戻ってきた。
「あらプロポーズ?」
「違うわ、花言葉よ! 花・言・葉っ!」
「青い薔薇の花言葉って?」
「一応、花言葉って一つの花でもいろいろとあるみたいだけど、私が知る中で青い薔薇の花言葉は――」
――夢叶うよ。
「記念に押し花にでもしていい?」
「駄目よ、だって人間で例えると植物人間状態じゃない」
「それはメリーなりのギャグなの?」
「点数は?」
「23点」
「完全敗北じゃない!」
こうして今日の秘封倶楽部の部活動は終わった。
戸締りを確認してから鍵を返して、私達は学校を出た。
その帰り道。
「案外、世界中のオーパーツの殆どがメリーみたいに夢の世界から持ち込まれた物だったりしてね」
「それは随分と夢の無い話だこと」
ふふっ、とメリーは笑うのだけれど彼女は気付いているのだろうか?
いつか夢の産物が全てこちらに持ち込まれてしまったら、夢の世界は何も無い世界になってしまうかもしれないということを。
――そしてその逆も。
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