三光鳥

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ある穏やかな夜です。《月》は海上に揺れる尾の長い鳥を見つけました。 「可哀想に。力尽きてしまったのですね」 《月》は風に頼んで尾の長い鳥の体を陸へ寄せてやりました。仲間が見つけてくれるように願いを込めた水色のリボンをつけてやりました。 うららかな昼です。《日》は水色のリボンをつけて倒れている鳥を見つけました。 「可哀想に。もう休んでいいんだよ」 《日》は鳥の魂に行くべき方向を示してやりました。どこまでも飛ぶ力を与える水色の胸飾りをつけてやりました。 澄んだ夜です。《星》は水色のリボンと水色の胸飾りをつけて飛ぶ鳥の魂を見つけました。 「可哀想に。もう戻ってこないんだね」 鳥は言います。 「星さん、僕は、仲間へ僕の存在を知らせるリボンとどこまでも飛ぶ力をくれる胸飾りを持っている。でも、僕にはやり残したことがある。だからこの先には行けないんだ」 《星》は瞬きます。 「神さまにお願いしてごらん。君の優しい心を見たらきっと聞いてくださるよ」 《星》は鳥の背中を押してやりました。その目に暗闇でも飛べる力を与えてやりました。
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