接近

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「なんかぶつかるかもって専門家が言ってたよ…怖いねぇ」 俺にとってはこんなニュースに流される母の方が怖い 今の時代、俺ぐらいひねくれていた方がちょうどいい 「早く食べちゃって、片付かないから」 今日も朝食はパンである 俺は米派なのでいつも朝は不満から始まる 朝食を食べ終えて学校に行こうとすると 「忘れ物ない?ハンカチとか」 今時ハンカチなんて持つ男子高校生は少ないだろう、と思い「持ったよ」と応えた もちろん生徒全員に確認したわけではないのでこれは俺の思い込みかもしれない 俺は登校中、よく幼なじみの美希に遭う でも最近はあまり遭わない 美希とは俺がこの辺に引っ越してきた小3くらいからの付き合いだ 無口で他の女子達ともあまり絡まない でも何故だか俺にはたまに話してくる 俺と美希が付き合ってるという噂が流れたこともあったが、そんな事実は一切なく噂は自然消滅した 今日も美希に遭わずに学校に着くと健介がいた 「おぅ、竜也」 「おぅ」 「今日も美希と一緒じゃないんだな、別れたん?」 こいつだけはまだ噂を信じている 面倒くさいことこの上ない 「別れたも何も付き合ってすらねぇよ」 「またまた~、その内二人のキスシーンとか激写してやるからな」
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