天耶の日常

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一年二組の教室までは千草も歩いていった。 「あぅぅ~」 鞄を重そうに持っていたが、重いわけではない。 向日葵も同じ一年二組なので一緒に歩いていく。 「おはようございます。」 教室にはもう先生がいたが、気にせず入っていく。先生はずれたサングラスとずれないきっちりパーマを気にしている。 サングラスから子犬のような目が見える。 「すぅわぁれぃぃ。はぅ・・・」 ため息はおっさん。 見た目とは違ってこの担任は弱々しいらしい。唇がおちょぼ口になって目が泳いでいる。 「泳ぎょぉぉ。」 目が黒板の端まで泳いでしまったので慌てて追いかけている。 千草は机に座ってウズウズしている。隣に座っている向日葵は蹴ってしまいたい。 「千草。」 小声でこの恥ずかしい行動を止めさせようとする。 ウズウズウズウズ・・・
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