天耶の日常

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廊下に行ったらこっちのもの。 「あの様子だとどこの廊下に立つのかな?」 向日葵はあんなことが出来ないので、授業を静かに受けている。 バタンッ! 「立ってよぅ。」 と言いつつ、走り出した。 廊下には誰もいない。どんなに走ってもぶつかることもないし、怒られることもない。 目指すは、一年四組の教室。和人の姿がそこにはある。 「和人。」 吐息のような声が漏れる。 興奮してきた。 見たい衝動と見られてはいけない衝動が葛藤している。 「変態。」 言われ慣れているが。 それもどうかと思うが、誰もいないはずの廊下で言われて焦る。・・・汗る。 汗滴る。 「ここあんたの教室じゃないでしょ。一年二組の天耶千草さん。」 いかにも口調が学級委員風になっている。 「教室の前に立っているでしょ、堅物の真珠院靖子さん。」 おどけている。
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