天耶の日常

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「それに真珠院さんに関わっている暇なんてないの。今から廊下に立って和人を見ないといけないから。」 真珠院靖子は眼鏡を直し、こちらを睨みつけている。鼻息が荒い。 「その扇風機い~らない。」 手で鼻をつまむ。 「あだだっでどういづもいづもぞうじじいをおじょぐっでばっがゃり!」 青筋オンパレード。 摘まんでいた手を離して、教室を覗く。窓から目だけを出して、 「いたっ!」 抑えていたが声が出てしまった。 千草の目が星のように輝いている。 教室の中では和人が数学の授業を受けている。千草には和人しか見えていない。 ふいに・・・ 「そんな真面目にしていて、どうして立たされているの?」 真珠院は声を失う。 「・・・。」
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