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朝露が草木に栄養を与える。草木は太陽を力強く眺めている。
だけど、天耶千草はそんな草木では残念ながらない。
奇。
「千草、起きなさい!」
母親のさくらが千草を起こす。部屋の二階の千草の部屋に入り、目覚まし時計を水戸黄門ばりに紋所を出すみたいに構えている。
その音はアニメ声で
「ぶぁっかじゃないの!・・・うそ。怒んないでよぉ!起きないでいいから、でも起きてほしいな?」
甘い声が目覚まし時計から聞こえてくる。
それでも眠たそうな千草は起きようとしない。
「ねぇむたぁひ~」
枕に顔を埋めて動かない。
「千草の意思なんて関係ない。」
母親は布団をくるっと回転させて、布団をたたむ。
パジャマ姿の千草は天高く上がって、降りたときにはたたまれた布団に座っていた。
すとんっ!
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