天耶の日常

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一歩進むごとに千草が和人の耳に息を吹きかける。 「ふぅ~~」 うにゅぅゅぅ・・・ 足の力が抜ける。 千草は楽しそうにしているが、和人は千草を落とさないようにするので必死になっている。 「和人。置いていったら?」 どこからか持ってきた段ボールには、拾ってくださいと書かれている。向日葵は笑いながら路に置く。 「あ~!ひっどぉぉい!私は可愛い猫には違わないけど、捨て猫じゃないよ。ねぇ和人。」 千草は和人を覗き込む。 むはっ! 和人は向日葵に振り向き、 「置いていくわけないじゃないですか。僕が千草を学校までおんぶしたいんです。」 珍しく力強い口調で言った。 言った通り和人は学校までおんぶしていった。 まぁしかし、 足は大笑いしていた。 それ以上の大爆笑をしていたのは千草だった。
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