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しかし、黒い閃光が私をさらいナマズのような魔女から助けた。
黒髪に黒い衣装右手につけた円盤は盾だろうか。
「……ありがとう……ございます」
抱えていた私を下ろすと黒ずくめの少女はナマズのような魔女へと飛びかかっていった。
唐突に後ろから声がした。
「あすみ。 どうだい、叶えたい願いは決まったかい? 」
キュウべえが近くのケーキ型オブジェクトの上からこちらを見下ろしそう告げた。
「……死者の蘇生を願いにするのは? 」
「リビングデット(動く死体)で良ければ可能だよ」
わかっていたことだ。そんな事できるわけがない。
「じゃあ、私の叶えたい願いは一つよキュウべえ。 『私を知る周囲の人間の不幸』それが私の願い……呪いよ」
「いいんだね」
「ええ、私にはもう失うものは何もないから」
キュウべえの耳が伸び私の胸のあたりから突き刺さる。
微かな痛みとともに突き刺さった耳は今度はゆっくりと引き抜かれる。
淡い光とともに、現れたのはたまご型の宝石。
「受け取るといい。それが君の運命だ」
キュウべえとの契約が終わる頃にはいつの間にかナマズ型の魔女は消えていた。きっとさっきの黒い魔法少女が倒したのだろう。
キュウべえの話によるとこのたまご型の宝石はソウルジェムというらしく変身もこれを使って行うそうだ。
母との離婚をした父に、私を虐待した義両親に、そしてマミさんを死に追いやった魔女と魔法少女に。
キッと鋭い眼光を放ち宣言した。
「これから、すべてを壊しに行く……」
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