遊泳空想

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「……ふぅ」 自然と息がこぼれた。 俺があんな偉そうなこと言って、良かったのだろうか。 わからない。 わからないことばっかりだ。 照りつける太陽は、どこまでも力強い。 とにかく、変な汗をかいたし、緊張した。 ヤナザワさんは、爺さん……彼女の父親に長生きしてほしいから、引っ越ししてほしかったんだよな。 親孝行しようとしていたんだろうな。 ……シュンイチも。 シュンイチもあんな詐欺に遭わなければ、とっくに親孝行を果たしていたはずだ。 俺は……。 青空を見上げた。 俺は、両親が40歳を越えてから生まれた一人息子だった。 だから、甘やかされてこんな奴に育ったのかもしれない。 いつまでも意地を張って、引きずって、肝心なことは臆病になって何もできない。 いつもそうだ。どんなときも。 強い人には全然なれていない。 どう思う?今の俺を。 まだ、後ろばかり振り向いてるんだ。 友達だって、助けられなくてさ。 親孝行もできなくてさ。 ほんとに、情けない。 それでも俺は、強くなれるだろうか。
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