遊泳空想

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変な人だと思う。 こんな田舎でブラブラしているなんて。 ひょっとしてフリーターか何かなんだろうか。 「こうしてふらふらしていられるのも、今のうちだと思わないかい?」 「そう……ですね」 歯切れの悪い返事をした。 すると、男は俺の顏をじっと見つめた。 真顔でもなく笑顔でもなく。 「とても悩んでいるね」 「……え?」 思わず面食らっていると、男は「図星だね」と笑った。 ざわりと風で向日葵が揺れた。 「私でよかったら話を聞くが。 まあ、そう簡単に見ず知らずの人に話すのもどうかとも思う。 だが、知らぬ人だからこそ話しやすくもないかい?」 なんだか、くどい。 もう少し簡潔にまとめてほしい。 でも、なんか、似ている気がする。 雰囲気とか。 シミズに。
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