1/3~前編~

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「ILは一体じゃなかったのか」 一人は飛び上がり拳を地面に突き立てる姿勢を作ると、着地と同時にそのまま地面を抉るように姿を消し、一人はジグザグに走りながら距離を詰め、一人は驚異的な脚力で空高く跳び上がった。 「空陸地中全方向からか、いいぜ来いよ」 無論もっとも早く南部の元へと辿り着くのは陸を走る男、南部は刀をただ前に突き出すだけ、同様に前へと突き出していた男の手のひらから肩口まで豪快かつ繊細に刀は走り抜けた。貫通。 「肉を切らして骨も切らして刀を絶つってか」 刀は今現在ほとんどが男の右手に埋まっている。絶妙なタイミングで空から降りかかる三人目の男。 その場から刀を抜きつつ離れようと思った瞬間、一人目の男が地面から手を生やしてその足を掴む。 二人目がジグザグに走っていたのは地面の男にその足音から自分の位置を知らしめるためだったのかと南部は推測する。 結果としては重力もあいまった力強い落下攻撃を、南部はその全身で受け止めることとなった。
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