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刀に手を掛けた刹那、目の前のソレは超人的な速度で飛び掛かって来た。まばたきでもしようものなら、その間にソレは数メートルの距離を詰めて楽々南部の首を捻り切れるほどに。
「ILか」
短くそう切り、左手で勢い良く刀を抜く。斜め上に斬り上げると直前で相手は急停止。
「お前がドラキュラか?」
南部は悪役のように口角を作り、余裕の表情を持ってその顔を覗き込んだ。しかし相手は大した反応も見せない。本当にこれがドラキュラかと思考した瞬間に相手の拳で視界が黒く埋まる。
鈍い音とともに骨がひしゃげる音がした。
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