第1話「はーん?聞こえないなぁ」

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気がつくと……そう、不思議な事におそらく死んでしまったであろう真菜が気がつくと、真っ白な空間が目に飛び込んで来た。 「は?何これ」 どうやら横になっていたようなので、起き上がりながら周りを見回して真菜は呟いた。 どこまでも、それこそ終わりが無さそうな程続く白一色の世界に、真菜は正直気が狂いそうだった。 「起きたようだな」 そんな真菜の耳に、男の声が聞こえた。 「え?」 突然聞こえた声に恐怖しながら、恐る恐る聞こえた方向に顔を向ける。 すると、真菜の目に某錬金術師漫画に登場した“真理”と呼ばれる存在とそっくりな存在が映った。 「簡潔に言うぞ。お前、別の世界に行け」 「は?」 何、そのありきたりな異世界トリップの導入の台詞。 そう真菜が思っていると、真理にそっくりな存在は口を尖らせ、拗ねたような口調で言う。 「だって、仕方ないだろ?実際にそうなんだから。とにかく、お前には世界を救って貰う。それに必要な力とか授けてやるんだから、有り難く思え」 最終的に偉そうな言葉遣いになった真理に似た存在。 何ともありきたりで、何故自分がそのような事をしなければならないのか、全く検討もつかない真菜からすると、真理に似た存在の言葉は真菜の頭を混乱させるだけだった。 .
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