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気がつくと……そう、不思議な事におそらく死んでしまったであろう真菜が気がつくと、真っ白な空間が目に飛び込んで来た。
「は?何これ」
どうやら横になっていたようなので、起き上がりながら周りを見回して真菜は呟いた。
どこまでも、それこそ終わりが無さそうな程続く白一色の世界に、真菜は正直気が狂いそうだった。
「起きたようだな」
そんな真菜の耳に、男の声が聞こえた。
「え?」
突然聞こえた声に恐怖しながら、恐る恐る聞こえた方向に顔を向ける。
すると、真菜の目に某錬金術師漫画に登場した“真理”と呼ばれる存在とそっくりな存在が映った。
「簡潔に言うぞ。お前、別の世界に行け」
「は?」
何、そのありきたりな異世界トリップの導入の台詞。
そう真菜が思っていると、真理にそっくりな存在は口を尖らせ、拗ねたような口調で言う。
「だって、仕方ないだろ?実際にそうなんだから。とにかく、お前には世界を救って貰う。それに必要な力とか授けてやるんだから、有り難く思え」
最終的に偉そうな言葉遣いになった真理に似た存在。
何ともありきたりで、何故自分がそのような事をしなければならないのか、全く検討もつかない真菜からすると、真理に似た存在の言葉は真菜の頭を混乱させるだけだった。
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