血のつながり

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"二人で殺人鬼になろう" そう言ってキミは笑った ささくればかりのキミの指と ボクの白身魚みたいな指を 絡めて重ねた掌は お互い蘇芳で鉄の匂い 世界がボクらを拒むなら ボクらから世界を拒んでやる キミがいれば、とお互いが 想っているから生きてられる 気に食わない奴らばかりだ 腐ったような奴らばかりだ 汚ない奴らばかりだ でもきっとボクとキミも そんな奴らの一部だ 人間がボクらを拒むなら ボクらが生きるためには邪魔だ 二人で消してしまおう ボクらが生きてくために 世界がボクらを拒むなら それでもボクらは生きてゆくよ ボクら二人の掌は 血糊で粘ってはなれない "二人で殺人鬼になろう" そう言ってボクも笑った
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