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『誰もが自分の人生の主人公だ』
小学生低学年のころ。
担任が急にそんなことを言い出した。
今、思い出すと担任は深い思いをこめていったわけではないんじゃないかと思う。
なにせ、その担任は偉人が好きでたびたび似たようなことを言っていた。
更にはその日は授業参観の日だったから、きっと担任はカッコつけたかっただけだろう。
でも、僕はそんな担任の言葉がとても心に響いた。
ただ本が好きだったから、幼かったから。理由はわからない。
でも、心に響いてしまった。
それからと言うもの僕は主人公になろうとかんばった。
だがどうすれば主人公になれるのかわからない僕は、ただ主人公になりたいという思いだけで行動し、きのぼうで虫と戦ったり、近所のおじいちゃんを魔王と言って尾行したりしていた。
今思うと何をしていたんだろうね。
思い返すだけで恥ずかしい。
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