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大内はその場を立ち去っていった。
さくらは良太から貰った鏡を握りしめ、息絶えていた。
翌日、さくら達の噂を聞きつけ、村の人たちが竹林に集まった。
しかしそこにはさくら達の遺体はなく、血に染まった場所の真ん中に一本の太い竹があった。
小さな赤ん坊ならすっぽり入ってしまいそうな一本の竹だった。
触ってみると、
人「暖かい…人肌のようだ。」
そして竹に触れた村人があることに気づいた。
人「こいつ…心の音がする。」
村人が一気に竹に近づく。
すると心臓の音が竹から、ゆっくりと、けれど確かにしているのだ。
人「さくら…なのか?」
信じがたいが、村人たちにはそうにしか思えなかった。
人「昔からの言い伝えである神様が…さくらと良太の赤子を授けてくだすったんじゃ。ここにいる竹は…さくらだ…。」
その後、大内氏は村に関与することをやめ、村は荒廃してしまった。
竹林はまだそこにあった。
村がなくなって二年がたつ。
さくら達が死んで二年がたつ。
竹は金の光りをまとっていた。
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