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ある国に一人の美しい巫女がいた。 巫女は不思議な力を持っており、その大いなる力は他国にまで噂が広がり、祟りと呪いの恐怖から、どこもその国へ戦を持ちかけようとはしなかった。 国の平和は巫女のおかげだと誰もが彼女を崇めていた。 また彼女の美しさや人柄を国中の人々が慕っていた。 ある日から国は乾期に襲われた。 日照りが何日も何週間も続き、国は飢饉に陥った。 人「巫女様…!お願いします…。お力を、どうかお力を…。」 人「稲も畑も全滅なのです…。」 人「川の水がへっているのです。巫女様…!」 巫「皆さん、落ち着いてください。 神は私たちを見ておいでです。 一生懸命田畑に勤しみ、精一杯暮らしてきた私たちを神が見捨てるはずはありませんわ。 私たちは私たちのできることを致しましょう。」 巫女の言葉に人々から笑顔が生まれる。 だが、そんな言葉とは裏腹に日照りはますます続いた。 人々は、だんだん巫女の言葉を信じられなくなっていった。
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