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ここからはまだ見えないが海先輩の声が聞こえてきた。
どうやらもう先に来ているようだ。
「ふぅ、海先ぱ…い…」
急いで裏の広場に出ると、そこには目を疑う光景が広がっていた。
「やっぱり楓君は優しいよねー。」
「うん…優しい。」
「こっちも食べる?にーすちゃん。」
「…食べる。」
ニースが海先輩に…餌付けされていた。
「あ、楓君。」
海先輩は俺に気付くと、ニースに箸を渡してこちらに歩いてきた。
「にーすちゃんから聞いたよー。大変だったんだね。 」
「あ、いえ。」
「やっぱり楓君だね。困ってる人がいたらそれがどんな状況でも助けちゃう。」
「や、まあ...やっぱほっとけないんで。」
正直また海先輩の説教タイムに入ると思っていたから身構えていたが今日は大丈夫そうだ。
だが、今はそれより
「ニース、説明してくれないか?」
ニースが箸を止めてこちらを向く。
「まず...屋上に隠れてた。」
「ふんふん。」
「見つかった。」
「ふん...ん?」
「...でお昼に招待された。」
「うん、その説明じゃ肝心なところが全くわからん。」
「あの、私が説明しましょうか?」
「あ、お願いします。」
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